第10回デジタルコンテンツコンテスト

2010年秋学期実施のコンテストの審査結果作品募集情報を載せています。

審査結果

コンピュータ理工学部主催の第10回デジタルコンテンツコンテストが実施され、今回は応募作品11点の中から最優秀賞1作品、優秀賞2作品、佳作2作品、その他特別賞1作品の計6作品を表彰しました。以下にその内容と表彰式の様子を伝えます。

最優秀賞(1作品)
藤井君(最優秀賞)
「京都産業大学での作品」
(デザイン作品集)

作者:藤井 紳平 (文化学部 国際文化学科)

優秀賞(2作品)
早川君(優秀賞)
「Glitch」
(映像作品)

作者:早川 聖朋 (経営学部 経営学科)

伴野君(優秀賞)
「B.N.English」
(iPhoneアプリ作品)

作者:伴野 貴之 (工学研究科 情報通信工学専攻)

佳作(2点)
遠藤君と岡君(佳作)
「Air速報」
(デスクトップアプリ作品)

作者:遠藤 健治(工学研究科 情報通信工学専攻)、岡 章弘(理学研究科 数学専攻)

Manufacturing Action Clubのメンバ−(佳作)
「京産花子の大冒険(HYSDX)」
(Flashゲーム作品)

作者:Manufacturing Action Club

チープ賞(1作品)
松浦君(チープ賞)
「チープパンチルトカメラ」
(電子工作作品)

作者:松浦 祐樹(コンピュータ理工学部 ネットワークメディア学科)

表彰式の様子
表彰式での最優秀賞授与の場面

各作品の講評

最優秀賞「京都産業大学での作品」(デザイン作品集)
大学在籍中に制作してきた数々の作品をポートフォリオ的に応募するという本コンテスト初の応募形態でした。店のロゴマークや神山祭パンフの表紙デザイン、ファッションショーでのビデオ映像などがその内容でした。作品の幅や数からして、全体のまとまりは薄く感じますが、それぞれ単体として見た場合に手慣れた感じでプロとしても通用しそうなクオリティの高さが大きく評価されました。また、京産大関係者の生活に密着した作品が多く、学内での実績とはいえ継続的に制作している点も評価に値します。これらを総合的に評価した結果、最優秀賞という判断を致しました。
優秀賞「Glitch」(映像作品)
音楽音響信号などを元に映像を生成・制御するというアプローチを取っている作品で、既に発売されているDVDを作品として応募してくれました。メディアアートの分野では特に新しいアプローチではないうえ、比較的それが容易に実現できる制作環境を使ってはいますが、理工系でも芸術系でもない本学学生がCG生成のプログラミングを行っているという点ではかなり特異な作品だと言えるでしょう。DVD全体の音と映像でみれば統一感はあまり感じられない、一部の人に受ける刺激、という厳しい審査コメントもありましたが、個別の曲に対する映像作品としては充分なクオリティであり、曲によっては非常にマッチしている感がありました。あとは映像としての作者の個性や特徴がどう反映されていくか、という話になると思われます。今後の更なる活動に期待して、優秀賞としました。
優秀賞「B.N.English」(iPhoneアプリ作品)
Webサイト「Breaking News English」のページデータを元に、iPhoneでそのニュース記事を表示したり、英語テストを実施したりするiPhoneアプリです。そこで利用されているユーザインタフェースの「カルーセルメニュー」は野心的で評価できるのですが、一覧性に欠けるのでこのアプリの場合は適していないかもしれません。ただ、自分だったらこういうインタラクションを可能にしてやる、というアイデアをまっすぐそのまま実装したという感があり、これは何かを作る動機付けとしてストレートで良いという印象です。また、大量のライブラリを自作して積み込んだ努力や、プログラミング能力もかなりあることが評価に加味されています。こうした評価から優秀賞となりました。
佳作「Air速報」(デスクトップアプリ作品)
Adobe Airを用いてNHKニュースサイトのRSSから得たヘッドライン記事やTwitterの情報をPC(Win&Mac)の画面上に文字だけ浮かび上がって表示するというデスクトップアプリです。Webデータをマッシュアップするものという基本的なアイデア(着眼点)は評価するところですが、Growlなど似たようなことができるソフトウェアが存在することもあり、特に目新しいこともないという点もあります。表示フォントの種類、表現の仕方などをもっと工夫が欲しいほか、同様の既存アプリと比べて何が違うかなどのアピールをもっとして欲しいということもあり、佳作と判断されました。
佳作「京産花子の大冒険(HYSDX)」(Flashゲーム作品)
Flashによるスクロール型のキャラクタアクションゲームを応募してくれました。京産大の風景の写真(画像)をゲーム画面の背景に利用している点などは産大生であれば興味を持つかもしれません。1年生でチームを作って、キャラクタデザインからプログラミングまですべて分担して作品を作り上げた点は高く評価できます。その反面、アクションゲームとして内容があまりにオーソドックスすぎる点で目新しさや面白さを感じ難いうえ、画質やフォント選択、誤字、キャラクタの表情の単調さなど、表現方法という点でもコンテンツとしての質にもう一工夫欲しいところです。次回にゲーム作品を作る場合は、遊びとしての面白みをもっとコンセプト段階から考えて作って欲しいところです(逆に言えば、質は多少落ちてもコンセプトが光っていればそれはそれで評価が上がります)。ともかく今回は、1年生チームによる協同制作という点が評価されて佳作となりました。
チープ賞「チープパンチルトカメラ」(電子工作作品)
USBカメラ(PlayStation Eye)を台座に乗せて、その台座に取り付けた直流モーターをJapaneno(Arduino互換ボード)で制御してカメラの向き(角度)を変えるというパンチルトカメラ作品です。そのデモビデオとでもいうべきムービーファイルが応募されてきました。作品内容の工作自体は、その名の通り部品代が極端に安く仕上がっている点がまず特徴です。作品の説明書きには「その辺に転がっているものを使って制作した」とありましたが、普通はその辺に転がっていないものばかりのようで、いろいろヘンではありますが、そのチープなりのチャレンジ精神やおばか度合い、笑い(苦笑?)を誘うビデオ作り、といった点が大いに買われて今回の受賞となりました。審査員からは、もう少しお金を出してちゃんとしたものを作り足したり、性能改善して欲しいという意見が出ていました。またコンピュータ理工学部学生であることから、PWM等の手法を用いてソフトウェアでもっと細かい制御して、ソフトウェアを学んでいる者としての工夫をするべき、という意見なども出ていました。それから、こういう面白い演出によるデモムービーで作品評価を上げるというのも,作品のプレゼンテーションの形として一つの方向性だと思います。今後の作品に期待します。

作品募集

作品(ジャンル・種類を問わず)を募集して、応募作品の中から優秀作品を選出・表彰します。優秀作品には賞状と副賞を授与しますので、個人・部活・サークル・グループを問わず、奮って作品を応募して下さい!

募集作品の例
イラスト、ポスター、CGアニメ、Flashコンテンツ、Webページ、映画、ショートムービー、ゲーム、コンピュータ音楽、DJ/VJパフォーマンス、ガジェット、インスタレーションなどのメディアアート、その他インタラクティブなコンテンツやシステム、ソフトウェア作品などなど…(とにかく、作品制作か作品鑑賞にコンピュータ(パソコンに限らない)を利用したものであれば何でもOK!)
優秀作品の賞とその副賞
  • 最優秀賞(1作品):賞状ならびに副賞(5万円分の図書カード)授与
  • 優秀賞(2作品程度):賞状ならびに副賞(1万円分の図書カード)授与
  • 応募資格
    本学学生の個人もしくはグループ(クラブ・サークルなど団体でもOK)
    応募締切
    2011年1月28日(金)18:00 2月4日(金)18:00 まで(10号館1F教学センター(理工系窓口)へ提出)
    応募作品の提出条件について
    1. PCで鑑賞可能な作品の場合は、CD-RかDVD-Rで提出して下さい。インスタレーションやガジェットのような装置、紙面で印刷した物が作品である場合は、提出可能であればその物自体を提出すうるのでも構いません(返却要相談)。作品自体の提出が困難な場合は、紹介ムービーをCD-RやDVD-Rに収録して提出するのでもOKです。
    2. 作品コンセプトや内容・制作過程の説明文書を紙面に印刷して付けて下さい(作成文書もCD-Rに収める)。この文書には、作品制作環境(マシン環境やソフトウェア等)も記載して下さい。また、その他の技術的な苦労、テクニックなどアピールポイントはいくら書いてもOKです。
    注意
    優秀賞などは対象作品なしとなる場合もあります。